前回まで第1図で▲4六歩の変化を調べてきましたが、今回は4筋を突かず▲3六歩とする型をプロの実戦譜で見ていきたいと思います。
2015-11-11 糸谷哲郎 vs. 畠山成幸 順位戦は、第1図から▲7八玉、△6四歩、▲2五歩、△6二玉、▲5八金右、△7二銀、▲3六歩と進んで第2図
第2図で△5四角ですと、
春1図、▲8二角と打たれて△3六角には▲2六飛なので、△7三桂として以下▲9一角成、△8一金、▲同角、△同銀、▲7七銀、△3六角、▲3七銀で春2図
と進行すれば二枚換えで駒得となり先手優勢です。したがって実戦は、△6三銀、▲3七銀、△7三桂、▲4六銀、△5四角で第3図と進みました。
ダイレクト向かい飛車徹底ガイド」(大石直嗣著)では、第2図の前に▲7七銀、△6三銀の2手を加えた春3図
春3図から△5四角を解説していますが、この場合は△5四角に▲8二角には△9二金で角が死にます。
第3図から▲2六飛、△7六角、▲3五歩、△同歩、▲2四歩、△同歩、▲3五銀、△3六歩、▲3四歩、△2二銀、▲2四銀、△4五飛で第4図と進みました。
ほぼ互角の形勢で難解な戦いが続きましたが、後手玉の薄さが響いた感じで先手が押し切りました。
2014-01-22 森内俊之竜王・ vs. 伊藤真吾 朝日杯将棋オープン本戦は、第2図から△7一玉、▲3七銀、△5四角、▲5六歩、△3五歩、▲5五歩、△6三角、▲4六銀、△3六歩、▲2六飛で秋1図
以下△8二玉、▲9六歩、△9四歩の局面で伊藤五段が△5六金と勝負手を放ちました。
この将棋は大熱戦で、92手目△3二金あたりに問題があったのか(勝手な推測です。)結果は先手勝となりました。面白い将棋で、森内竜王のぎりぎりの指手も参考になりますので、全局の棋譜を並べることをお勧めします。
▲3六歩型は、振飛車も戦えるのではないかと思います。森内 vs 伊藤戦の指し方は、アマでは先手を持つのは大変で、後手有力ではないでしょうか。
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