四間飛車穴熊 相穴熊の棋譜②

前回の王座戦準決勝に続き、青嶋五段の王座戦決勝の棋譜です。2017-07-28 青嶋未来 五段 vs. 中村太地 六段 第65期王座戦挑戦者決定戦
青嶋五段は、準決勝と同じ先手番の四間飛車穴熊を採用しました。中村六段も対策は準備していたと思われます。解説は日本経済新聞の棋譜欄からです。

第1図、青嶋五段は前局と同じに早く▲4六歩を突きます。中村六段は△4四歩型を選択し、その後、△3二金、△4三金右としましたが、プロ間では、準決勝の△3一金、△3二金の形が多く比較的珍しい戦型になりました。中村六段の対策だったのかもしれません。この形はアマでは結構指す人が多いと思います。

△4三金右に対して青嶋五段は▲9六歩と間合いを図る手を選びましたが、▲4五歩、▲6五歩、▲4九飛などを考えたようです。▲4五歩は△5五歩、▲4四歩、△同銀、▲4五銀、△同銀、同飛、△4四金、▲4九飛、に△4五歩と抑え込まれる手が気になったとのこと。▲6五歩は△4五歩、▲4九飛も△7四歩から△7五歩が気になったとのこと。後手の△7二飛を待って、▲4五歩と仕掛けて第3図
以下▲3三角成に△同金上がると4筋に備えましたが、ここ△同金寄では、▲4五銀、△4四歩、▲3四銀、△同金、▲6一角で後手がいけません。
▲6四歩、△同歩、▲4五飛に△8二飛と飛車回りを受けましたが、ぎりぎりの局面です。先手は、▲7一角から角を切り▲4四歩を利かして、▲6三歩と攻めをつなげます。
ここでは青嶋五段は「もうだめかもしれません。」中村六段は「正確に指すことができれば、優勢になるのではないか」と感じていたそうです。青嶋五段はこのあとの△5五歩を見落としていたようで形勢は、後手有利に傾きました。
第6図△5六角が金桂両取りで大勢決したようです。
投了図の△1七桂が鮮やかな決め手で、逃げ道を消して詰めろになっています。△1七同香としても△3九角で受けなしとなります。
本局は中村六段の△3二金、△4三金右の形が成功し、先手の攻めがやや無理筋となってしまったため、青嶋五段にとっては不本意な一局になりました。四間飛車穴熊にとっては、研究課題が増えたようです。

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