角交換四間飛車の相振り飛車の序盤➂

前回までは第2図でA.▲4八玉から▲3八玉について調べました。今回はB.▲2八銀について調べてみます。

▲2八銀は△2五歩に▲3六歩から▲3七銀を目指す手です。「相振り飛車の最重要テーマ14」(黒沢怜生著)で2014年12月の窪田義行六段vs阿部光瑠五段戦を取り上げていますので。棋譜を見てみます。

第2図からの指し手▲2八銀、△2五歩、▲3六歩、△5四歩、▲3七銀、△5二飛、▲2八飛、△6二玉、▲6八玉、△7二玉、▲7八玉(第3図)

早い△2五歩を見て機敏に▲2八飛と戻し、居飛車の将棋になりました。後手はゴキゲン中飛車風の指し方です。

第2図の前に1筋の歩を突き合っています。

第3図からの指し手 △8二玉、▲2六歩、△同歩、▲同飛、△7二銀、▲2八飛(第4図)

△8二玉では、△8八角成、▲同銀、△2二飛、▲5三角、△4二銀、▲8六角成の進行がまだしもだったようです。▲2六歩となっては先手十分の序盤です。△7二銀に▲2三飛成は△2二飛とぶつけるともりだと思いますが、▲2八飛が冷静。

評価値は320でやや先手有利

第4図から△3二金、▲2二角成、△同銀、▲4一角となり、以下も激しい攻防が続き大変面白い将棋でした。

将棋DB2より

2014-12-13 朝日杯将棋オープン戦

窪田義行 vs. 阿部光瑠

▲2八銀に対し、△2五歩と突いてきた場合は、▲3六歩、▲3七銀が有力になりますが、後手が他の手を指した場合は、▲3七銀型の相振り飛車となり、定跡のない力将棋になります。3七銀型の実戦例を見つけましたので掲載します。2013-08-16 王将戦 藤井猛 vs. 中村太地戦です。

初手からの指し手  ▲7六歩、△3四歩、▲6八飛、△1四歩、▲1六歩、△2四歩、▲2八玉、△2五歩、▲2八銀、△4四歩、▲6六歩、△4二飛(第5図)

手順が第2図と少し違い申し訳ありませんが、この後3七銀型へ進みます。互いに角道を止めて慎重な出だしです。

第5図からの指し手   ▲6五歩、5二金、▲3六歩、△3二銀、▲8六歩、△6二玉、▲6四歩、△7二銀、▲6三歩成、△同銀、▲7八銀、△7一玉、▲3七銀、△4三銀、▲3八金、△5四銀(第6図)

第5図からの▲6五歩が将棋ソフトの評価が低いようで、代えて▲3六歩くらいのようです。後手も▲6四歩を取らなかったのは伸びすぎと見ているのだろうか。

形勢互角だが、先手番としては成功したと言えない。

以下第7図へ進み、後手の△1五歩が機敏で後手やや有利となりそのまま押し切りました。

将棋DB2

2015-10-01 朝日杯将棋オープン戦

中村太地 vs. 藤井猛 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です