角交換四間飛車の相振り飛車の序盤➁

前回は、四手目➀△2四歩(第2図)に対して、A.▲4八玉から▲3八玉とし、

第4図の△5四歩にa.▲8六歩を調べた。▲8六歩は有力な指し方でした。

今回は第4図でb.▲5八金左を調べていきたい。

第4図からの指し手  ▲5八金左、△ 8八角成、▲同銀、△2二飛(第17図)

第4図で▲2八銀は、△4四歩から△4二飛とされ4筋を狙われるのが気になります。▲5八金左は相手の出方を見た手で、後手は初志貫徹で △8八角成、▲同銀、△2二飛 と向かい飛車にする。

第17図は△5四歩によって▲6五角を防いでいるし、▲5三角には△4二角で良い。ただ、△5四歩を突いたため駒組が制限される意味がある。 

第17図からの指し手  ▲7七銀、△4二銀、▲8六歩、△6二玉、▲8五歩、△7二玉、▲8八飛、△5三銀、▲6六銀、△6四銀(18図)

先手は8筋に飛車を振り直し、左銀を▲6六銀と繰り出す。後手は△5四歩と突いているため△5三銀と上がりたくなるところ。先手から▲7五銀、▲5六角などの攻めがあるため、△6四銀と銀対抗の形にせざるを得ない。

第18図からの指し手 ▲8四歩、△同歩、▲同飛、△8三歩、▲8八飛、△2六歩、▲同歩、△同飛、▲2七歩、△2四飛、▲2八銀、△5二金左、▲9六歩、△1四歩、▲1六歩、△9四歩(第19図)

後手に△8二銀と上がられると ▲8四歩、△同歩、▲同飛、に△8三銀と銀冠を目指す手があるため、歩の交換はこのタイミング。互いに金無双へ囲う。 この銀対抗の形は後手が受け身になりやすい。後手はどこかで△4四角が効果的になれば良いのだがタイミングが難しい。

第19図では▲4八金と持久戦を目指す手が普通だが、▲9五歩の仕掛けもあるので後述する。

ここで仕掛ける手がある。

第19図から、 先手は▲4八金、▲3六歩から矢倉模様に組み上げるが、後手は△6四歩とできない。 第20図は「現代相振り飛車」(高崎一生著)の先手の狙い筋を示した図。

馬を作る狙いでこうなれば先手良し

第20図からの指し手 △2五歩、▲3七銀、△3五歩、▲3四歩、△同飛、▲2三角、△2四飛、▲3二角成で先手良し。

後手は△3三桂としない等いろいろ工夫の余地はあるが、先手が作戦勝ちにないやすい戦型のようだ。

第19図に戻り、▲9五歩の仕掛けを検討してみる。

第19図からの指し手 ▲9五歩、△同歩、▲同香、△同香、▲9四角、△8二銀、▲8四歩、△9二角、▲8三角成、△同銀、▲同歩成、△同角、▲8四歩、△7四角、▲8三銀、△6二玉、▲7四銀成、△8七歩、▲同飛、△9六角(21図)

▲9五歩は将棋ソフトが示した手順でこの戦型では応用の効く指し方です。△9五同香のところ△9三歩でも同香成以下同様に進行する。第21図の評価値は400点くらいで先手やや優勢。

後手の反撃で難しいが先手十分

第21図からの指し手 ▲8六飛、△7四歩となりここで、▲7七桂と▲8三歩成が有力。

▲7七桂は△8五歩、▲同桂、△8二歩、▲8三歩成、△同歩、▲9三桂成で

▲8三歩成は△8五歩、▲9六飛、△同香、▲9二角でいずれもまだ難しいが先手十分指せるようだ。

b.▲5八金左のまとめ

今回の▲5八金左も先手有望な変化が多く有力な指し方でした。後手は5四歩が負担になりやすく工夫が必要と思われます。個人的な意見ですが、金無双よりも7二金、8二銀と組んで第22図のように矢倉模様に進めるのはどうかと思っています。

△4四角の機会をうかがいながら、先手の攻撃を牽制する狙い。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です