康光流ダイレクト向かい飛車 B級2組順位戦 丸山九段vs杉本八段戦

12月8日の順位戦で杉本八段が康光流のダイレクト向かい飛車を採用してくれましたので、内容を学んでいきます。

最近は、一手損角換わりが減少したことに伴ってダイレクト向かい飛車も採用される機会が減ったようです。

△7四角、▲4三角成 に△5二金右
とし、その後△4二飛車と転換する
形が多く指されている。

1図からの指し手 △7四角、▲4三角成、△4二金 、▲6一角成、△同玉、▲7五金(第2図)

第1図から、△7四角、▲4三角成に△4二金として2筋で飛車を使うのが康光流です。後手が△4二飛とする形については

ダイレクト向かい飛車の序盤ダイレクト向かい飛車4六歩に5五角の変化他に過去記事があります。

第2図から駒組が進み(第3図) 

第3図では後手△2五銀から△3四銀、△2四歩と2筋を反撃する狙いがあり、△9五歩で△2五銀はあったかもしれません。

第3図で丸山九段は▲4八飛と4筋を狙いましたが、2筋を明け渡すだけに思い切った手に見えます。▲4八飛で▲6五銀も選択肢としてありました。4八飛に対して後手の杉本八段は△2五桂と△3七桂成を見せました。(第4図)

将棋ソフト(水匠4改)によれば、△2五桂に代えて△2四歩も自然な手で以下▲4五歩、△2五歩、▲4四歩(変化1図)

以下△4五歩または△5三金打として後手悪くない形勢でした。

この将棋は形勢互角のまま進みましたが、後手に受けのミスが出て、先手の飛車捨ての猛攻が決まり先手勝になりました。後手は玉の薄さが響いたようです。

佐藤康光九段の将棋に類型が何局かありますので、ポイントを調べてみます。

・第5図は 村山vs佐藤戦です。

第5図から▲3六歩、△同歩、▲同銀、△6四角(第6図)と進みました。第5図で後手から△2五歩を見せられていますが、先手も手の広いところで、▲5八金とし、△2五歩なら▲3一角、△3二飛、▲4二角成、△同飛、▲2四金、△4三金、▲2五歩とする手もありそうです。実戦は▲3六歩を選びました。

形勢互角だが、後手まずまず

・第7図は渡辺vs佐藤戦です。

この将棋は後手が△5四歩を省略し、途中で先手▲5五角のチャンスがあったのですが見送りました。△5四角で一見後手良しに見えるのですが、実際は大変です。以下▲4七銀、△2五歩、▲同歩、△同銀、▲5六銀、△2七歩、▲4八銀、△3四銀(第8図)

玉の堅さに差があり、意外と後手大変

第8図では、▲3一角、△3二飛、▲4二角成、△同飛、▲2四金、△4三金、▲4五歩とする手があったか?実戦は▲3九金とし先手が徐々に差を拡げ勝ち切りました。

将棋DB22014-07-26 銀河戦

渡辺明 vs. 佐藤康光 第22期銀河戦決勝トーナメント2回戦

・第12図は豊島vs佐藤戦

先手▲2五歩と突いている。

第12図からの指し手  ▲3六歩、△同歩、▲同銀、△3五歩、▲4七銀、△2五銀以下(第13図)

第12図では△2五銀からの飛車先逆襲を見せられています。丸山・杉本戦のようにすぐに▲5六銀として▲5八金から▲6五銀を狙う手もあります。

2五歩として後手十分だが、
これからの将棋

第13図からは先手が△2五歩に▲2七歩と受ける展開で後手優勢となりましたが、結果は先手の逆転勝でした。この戦型は後手が勝ち切るのは大変かもしれません。

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