中飛車対一直線穴熊の棋譜


王座戦1回戦から佐藤天彦名人 vs 青島未来五段の一直線穴熊の棋譜です。解説は日本経済新聞の棋譜欄からです。
青島五段は2015年度勝率第1位になった新進気鋭で、オールラウンダーですが、「相穴熊戦がめちゃくちゃ強いですよ」(佐々木大地4段)との評があります。

先手中飛車から第1図で5五歩位取りの戦型が決まりました。
対して後手の佐藤名人はいわゆる一直線穴熊の作戦です。先手も▲4六銀で相穴熊の方針です。代えて▲5六銀なら美濃囲でバランス重視の方針になります。

第3図で▲3五歩と仕掛けましたが、仕掛けずに穴熊を完成させるのも有力です。「糸谷&斎藤の現代将棋解体新書」では相穴熊の組合は振飛車十分との見解が示されています。以下後手が△8四飛から△6四飛としたのに対して▲6六角と防いで第4図です。

ここで後手△7四飛としたのですが、青島五段は△6六飛を心配していたとのこと。以下、▲同歩、△6七角で変化1図ですが、

▲8八飛なら△5五角、▲8二飛、△4九角成、▲同金、△3六金で先手自信がなく、▲5九飛、△7八角成、▲2六銀、△6八馬、▲5六飛、△6七馬、▲5九飛、△6八馬、▲5六飛以下の千日手になりそうで悩んでいたとの青島五段の感想です。本譜は先手の▲7四歩が上手い突き捨てでした。
後手も桂を狙って反撃し、第5図▲5四歩で大決戦です。
第5図から△6六飛、▲同歩に△4七銀では、一旦変化2図、△5四歩と手を戻した方が良かったようです。
▲同飛なら、△6六角、▲6一飛、△3九角成、▲同金、△3八歩、▲同金に△7二角が好手で佐藤名人も「こちらだった」と同意したようです。

第6図、▲4二銀が読みの入った一着で、▲3三銀では△5五角打で自信がないとのこと。先手角損ながら先手玉に詰めろの筋がなく青島五段の金星となりました。

第7図の投了図からは、△同玉、▲5一竜、△4一歩、▲2一金、△同玉、▲4一竜、△3一金、▲3三桂、△同金、▲同歩成で必死です。

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