飛車落ち定跡 第3章 6四銀型 跳ね違い定跡➂ 将棋ソフトの新手法

前回までで、3三桂留跳ね違い定跡の検討を一通り終わりました。今回は将棋ソフトの新手法を紹介します。

第4図は第1図から▲4五歩、△同歩、▲同桂、△2五桂、▲2二角成、△同金、▲3三角、△4四角、▲同角成、△同銀と進んだ局面です。第4図から定跡の▲3三角に代えて▲3一角が将棋ソフトの検討で示された手です。

第4図からの指し手 ▲3一角、△3二金、▲6四角成、△同歩、▲5三銀(第25図)

 ▲3一角から角をきって強襲するのが新手法で、十分成立しているようです。こういう直線的な手順はプロ棋士は軽視するのかもしれません。

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飛車落ち定跡 第3章 6四銀型 5二金待機➀

 今回から、上手が5二金のまま待機する型を調べていきます。

6四銀型の基本図

(2)5二金待機型

 基本図では、▲4五歩と直ちに仕掛ける手と▲2六歩と跳ね違い定跡を避ける手があります。従来の定跡書では▲2六歩がほとんどですが、本稿では第3章(1)跳ね違い定跡で跳ね違い定跡を検討したところ下手十分指せることが判明しました。そのため、まず▲4五歩と仕掛ける手から検討していきます。 跳ね違い定跡(▲4五歩、△同歩、▲同桂、△2五桂の手順)に続いて5二金待機型が下手良しとなれば、基本図で▲4五歩と仕掛けて良いことになります。

(2)5二金待機型には大きく分けて、Ⅰ.▲4五歩、△同歩、▲同桂、△4四歩と受け止める順、Ⅱ.▲4五歩、△同桂、▲同桂、△2四歩と待機する順、 Ⅲ.▲4五歩、△同桂、▲同桂、△5五歩 と反発する順の三つがあります。順次調べていきます。

 ▲2六歩についてはⅣ.▲2六歩で調べます。また基本図の前に△5三銀と上がらず△7四歩から△7三銀、△6四銀とする花村流もありますので 、同じくⅣ.▲2六歩で書いていきます 。▲2六歩に対し上手△5三金とすれば(3)5三金型になります。

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飛車落ち定跡 第3章 6四銀型 5二金待機➁

 今回は第2図から△5五桂を調べていきます。

第2図からの指し手 ➁ △5五桂、▲4四歩、△同銀(第9図)

 第9図で下手にはA.▲4九飛とB.▲6六歩の二つの指し方があります。▲4九飛は土居市太郎八段の「将棋飛落角落定跡」に載っている手で、▲6六歩は板谷八段監修の「飛落精妙」に載っている手です。いずれも有力なので紹介します。

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飛車落ち定跡 第3章 6四銀型 5二金待機➂

前回で、基本図からⅠ.▲4五歩、△同歩、▲同桂の手順が終了しました。今回はⅡ.▲4五歩、△同桂、▲同桂、の手順から進めていきます。

基本図からの指し手Ⅱ  ▲4五歩、△同桂、▲同桂、△2四歩 、▲2六歩、△7四歩(第1図)

 上手のこの上手の待機手順は、大山名人の「大山の将棋読本5、駒落ちの勝ち方」と板谷八段監修の「飛落精妙」に書かれています。「大山の将棋読本」と 「飛落精妙」 は玉型が微妙に違いますがこの後の手順は同じです。 「将棋飛落角落定跡」 では上手△2四歩と受けず、下手▲2五歩から仕掛ける順が載っています。

 第1図は下手攻め手に困るようですが、桂得はやはり大きく本譜の順で攻めが続きます。

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飛車落ち定跡 第2章 右四間飛車定跡の駒組

 右四間飛車定跡の駒組

本サイトでは右四間飛車定跡の3三桂留型を主に検討しますが、序盤の駒組において上手にいろいろな指し方がありますので、おおまかに上手の指し方を見ていきます。

初手からの指し手 △3四歩、▲7六歩、△4四歩、▲4六歩、△3二金、▲4八銀、△4二銀、▲4七銀、△4三銀、▲5六銀、△5四歩、▲4八飛(第1図)

右四間飛車定跡の始まり

第1図から上手にいろいろな指し方がありますが、△3三桂以外は▲4五歩と仕掛けて下手が良くなる変化が多い。

➀3三角型

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飛車落ち定跡 第2章 3三桂留型の駒組

前回右四間飛車定跡のいろいろな駒組について書きましたので、今回は3三桂留型の駒組を調べて、戦型を分類していきます。 なお、検討には将棋ソフト水匠4改を使用しています。PCスペックはAMD Ryzen 7 3700X、RTX2060 です。

初手からの指し手 △3四歩、▲7六歩、△4四歩、▲4六歩、△3二金、▲4八銀、△4二銀、▲4七銀、△4三銀、▲5六銀、△5四歩、▲4八飛、△3三桂、▲3六歩(第1図)

△3三桂が3三桂留と呼ばれる指し方で、飛車落ち定跡で最も難解といわれる定跡です。下手▲3六歩としないと3五歩と突かれて定跡型からはずれます。

3三桂留型
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