CAMBRICと最強投資先

昨日の日経新聞に「米中巨大デジタル企業の脅威」と題されたコラムが掲載されていました。内容は、

➀再びグローバル化が進み始めた。主役は国でなく、巨大デジタル企業だ。米国のアップル、アマゾン・ドットコム、アルファベット(グーグル)、マイクロソフト、フェイスブック、中国のアリババグループ、テンセントは、時価総額が事業会社として世界の「トップ7」を占める存在だ。
➁ 同時に、多くの産業で既存企業を追い詰め、寡占化をもたらす「トップ7」の強さと問題点は、電子商取引(EC)の2大巨人、アマゾンとアリババの破壊的な躍進で浮き彫りとなる。小売市場でのECシェアは世界で8.5%、中国、米国でも15%、10%程度だ。だが時間の節約、多種多様で質の高い商品を選べるオンラインショッピングのECは消費者の支持が高く、成長は加速している。
➂中国ではクレッジットカードが普及しておらず、EC顧客はアリババのモバイル決済サービス「アリペイ」やテンセントの「ウィーチャットペイ」を使う。海外はアマゾンが先進国中心に14カ国、アリババは東南アジア、ロシア、ブラジルなどに進出。海外売上比率は、アマゾンが約30%、アリババは約10%だが成長余地は限りなく大きい。
➃問題は、ECの2大巨人が既存小売業に与える影響である。米国では、最大の百貨店メーシーズが728店のうち100店の閉鎖を発表した。今年の全米小売店の閉鎖は約1万店に及ぶ。米労働者の9人に1人が小売業に従事しており、雇用への影響は深刻だ。
日本でもアマゾンのECは伝統的な小売業はもとより、楽天などの同業も寄せつけない圧倒的な強さである。デジタル後進国日本に、アマゾンと同じく「トップ7」が想定外のスピードとスケールで押し寄せている。

「トップ7」の脅威とその対策について注意を促すものですが、投資の観点から考えると、「トップ7」は最強の投資先ということになります。「トップ7」の強みは情報の独占にあり、この状況は今後5年以上は続くと考えられます。「トップ7」はこれからも投資の主役であることは間違いないでしょう。
ただ、目先は「株の話、経済の話、何の話だろう?」の記事にあるように「第3四半期に入ってから、大型株専門のミューチュアル・ファンドは、人気大型株FAAMGの売却を始めている。」という事実もありますので、タイミングを探ることになります。

一方、楽天証券の「新たなブラックスワン?中東の混乱とチャイナリスクを警戒」の記事では、ハイテク株について「IT業界の7つの有望分野」を示すとされる「CAMBRIC(キャンブリック)」(※)からの収益が増え始めた企業群の業績拡大は今後も続くと考えられるとのことです。

※CAMBRIC=米国のIT業界における7つのメガトレンドを示す略語で、クラウド・コンピューティングの「C」、AI(人工知能)の「A」、モビリティの「M」、ビッグデータの「B」、ロボティクスの「R」、IoTの「I」、サイバーセキュリティーの「C」の頭文字をとったもの。

「これら分野のコアテクノロジー(基幹技術)、プラットフォーム(基幹環境)、デファクトスタンダード(標準技術)では、米国の大手IT企業が主役を担っています。米IT業界の成長ダイナミズムを象徴するS&P500IT株指数、フィラデルフィア半導体指数、S&P500指数をベースにした「12カ月先予想EPS(1株当たり利益)」は、総じてすべて上向き(成長)を維持しているのがわかります。」とのことで長期的な有望分野であることがわかります。
2018年は過熱感に注意しながら、「トップ7」の押し目を狙って行きたいと考えています。

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