飛車落ち定跡 第4章 6四歩持久戦型 新手法の仕掛け➂

 前回で基本図からⅠ.▲4五歩、△同歩、▲同銀が終了しました。今回はⅡ. ▲4五歩、△同桂の手順を調べていきます。なお、将棋ソフトは水匠5を使用しています。

基本図からの指し手   ▲4五歩、△同桂、▲同銀、△同歩、▲2二角成、△同金、▲4五桂(第1図)

 △4五同桂に下手▲同桂とする手は△4二銀と引く変化がありますので▲同銀とします。第1図では、➀△4四銀、➁△4二銀があります。順次調べていきます。

△6二銀には▲5六桂、△5五銀打、
▲3一角で下手良し

第1図以下の指し手➀  △4四銀、▲5六桂 (第2図)

 やはり▲5六桂が厳しく上手は受けが難しいです。A.△5五銀打、B.△5五角、C.△6三銀が考えられますが、下手の攻めが続きます。

 第2図からの指し手A △5五銀打、▲4四桂、△同銀引、▲5三銀、△5五角、▲5二銀成、△同銀、▲5三角(第3図) 以下△同銀、▲同桂成は下手飛車が侵入できますし、△5一銀または△6二銀には▲3一角成で下手良しです。

第2図からの指し手B   △5五角、▲4四桂、△同銀引、▲5三銀で下手勝勢です。以下いろいろ応手はありますが、一例として△3二金、▲5二銀不成、△同銀、▲5三角。また△6一銀、▲4四銀成、△同銀、▲4一角、△4三銀、▲3五歩などです。

第2図からの指し手C  △6三銀、▲4四桂、△同銀、▲5三銀、△5五角、▲4四銀成、△同角、▲5三銀で下手勝勢です。

再掲載

第1図以下の指し手  △4二銀、▲4四歩 (第4図)

上手としては、△4二銀の方が優ります。第4図では➀△3二銀、➁△同銀があります。

第4図以下の指し手➀  △3二銀、▲4六桂(第5図) △3二銀と引く手には▲4六桂が痛打で適当な受けがありません。第5図から△3三銀には▲3一角。△5五角は▲3四桂、△2一金、▲4二桂成、△同金、▲5三銀で下手勝勢です。

第5図からの指し手  △3七銀、▲3四桂、△4八銀成、▲同金、△4六飛、▲4二桂成、△同金、▲3一角、(第6図)

△3七銀と桂を処理しようとしても▲3四桂で良い。第6図以下、△4一金、▲5三角成、△4八飛成には▲6三銀、△8二玉、▲6二馬で下手勝勢となります。

第4図以下の指し手➁  △4四同銀、▲5六桂(第7図) 第7図からA.△5五銀打、B.△5五角、C.△5五銀が候補手です。

第7図からの指し手A  △5五銀打、▲4四桂、△同銀、▲5三銀(第8図)

 第8図では△同金、▲同桂成、△同銀引が下手の▲3一角を避けて最善の粘りですが、▲5二角、△4四歩、▲6三金、△7一玉、▲5三金、△同銀、▲6三角成、△6二金、▲7二銀、△同金、▲5三馬、△6二銀、▲4四馬(第9図)で下手大優勢です。なお、第8図から △同金、▲同桂成、△同銀引の局面では、▲4二飛成、△同銀、▲4四角でも下手優勢です。

第7図からの指し手B  △5五角、▲4四桂、△同銀、▲5三銀 、△同銀、▲同桂成、△同角、▲4一飛成で下手優勢

第7図からの指し手C  △5五銀、▲5三桂成、△同銀、▲4一飛成(第10図)

 上手は△5五銀とかわす手が評価値は一番良いのですが、飛車を侵入される順しかないのではつらい。第10図から△6二金として、まだ簡単ではありませんが、将棋ソフトの想定手順を書いておきます。

第10図からの指し手 △6二金、▲1一竜、△3二金、▲2一竜、△4二金、▲6三香(第11図) 

▲2一竜は角筋を避けた手ですがここは手の広いところです。

第11図からの指し手➀ △同金、▲6一角、△6二玉、▲8三角成、△5一桂、▲8二馬。▲6一角に△8二玉は、▲8三角成、△同玉、▲8一竜、△8二歩、▲7五桂、△7四玉、▲8二竜、△7一桂、▲7七桂、△8三香、▲7一竜

第11図からの指し手➁ △同玉、▲8一竜、△7四香、▲7五桂、△同香、▲同歩、△8四歩、▲同竜、△5二玉、▲4九香、△4六歩、▲8一竜、△9三香、▲4五歩

以上で基本図からの仕掛けを終わります。△同歩、▲同銀、△4四歩の手順が難しかったのは意外でしたが、経験値を積み重ねれば下手十分指せると思います。次回は上手△6二玉のまま待機する形を調べていきます。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です