試作品第2号 行雲①

第2号は勝仙師からいただいた字母紙「行雲」です。「行雲」は勝仙師のオリジナル書体ですが、フリーで字母紙をいただくことができます。

「行雲」は楷書体ですが行書体に近い感じで、その特徴は細字で入りや収筆に細かい装飾が多いところだと思います。

桂の右上の横棒部分の細い線は、島が潰れるため作者様には申し訳ないのですが今回は省略しました。

馬の龍の部分(上部)および成桂は細い線が
入り組んでおり、特に苦労しました。

今回、4.5mm、6mm、9mmといろいろな印刀を研ぎながら試したのですが、最初6mmで結構順調に進んだものの、途中から全部の印刀が切れなくなってしまい彫り跡が汚くなってしまいました。いまのところ6mmが一番しっくりきます。

その後研ぎは回復したのですが、かなりばらつきがあります。また、線が入り組んだところは字母紙が破れて剝がれることが多く大変困りました。

9割がた彫り終わったのですが、前回彫り跡に彫り残しがありましたので点検をしっかりやりたいと思います。

試作品第2号行雲➁ 漆入れ 

第1号では、漆入れのムラがかなりありうまく入っていない部分があったため、今回は勝仙師のブログで知った小型の歯ブラシを使う方法を試してみました。

かなり薄く入っています。
ブラシを使う方法だと漆がかなり薄く入るので心配になります。
どの程度薄いか、研ぎ出ししてみないと分かりません。

この方法だと漆の量もごく少量になります。うまくいくと漆入れが楽になるのですが。

駒制作 試作品1号➀

急に思い立って3月から将棋駒の制作を始めることにしました。きっかけは将棋駒研究会の「駒のささやき」という本をヤフオクで3万円で入手したことで、自分でもやってみたいと思いました。

もう年寄りですので、なんとか自作の駒を一つでも制作できればと思っています。また、記事を書くことで、これから将棋駒をつくってみたいという方に少しでも参考になればと考えています。

3月から開始して2か月になりますが、最初は道具を揃えることと知識を得ることに時間がかかってしまい、練習はしていたもののようやく全駒の試作に取り掛かったところです。

具体的な制作方法についてはこれから徐々に書いていきますが、まずは試作品の制作過程を紹介したいと思います。

試作品彫り

字母紙は、「天童楷書中彫り」とフリーで使用してよい勝仙師の字母紙を参考にして作成した自作の「中彫り」書体です。下手でお恥ずかしいのですが、反省材料として掲載することにしました。

とにかく練習が必要です。
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駒制作 試作品第1号➁

目止めの練習

 試作品の彫りが大分進みましたので、目止めの練習をすることにしました。彫りの失敗作や練習で彫った駒を使ってセラックニスを塗ってみます。

ニスの量や塗り方などいまいち分からないので何度か練習が必要です。黄楊でない木地で練習した時はニスが濃すぎたようでべとついた感じになりましたので、今回はセラックニスをラッカーうすめ液で倍くらいに薄めて塗ってみることにしました。

筆は百均で買ったものです。彫り駒なので字母紙はつけたままにし、字の回りのせまい範囲にしてみました。
ニスを振って攪拌するのを忘れました。もう一度塗るのでいいことにします。

結果を見てどうゆう塗り方が良いか再度考えてみます。

駒制作 試作品1号➂

漆入れ練習

筆は百均のものです。

試作品の漆入れ前に失敗した駒等で練習していますが、2回目のセラックニス塗りが終わりましたので、漆入れを試してみます。

彫り駒の場合は、薄めに2回ということですが、今回はできるだけ字の部分に狭い範囲で塗るようにしてみます。

なるべく薄くしようと思ったのですが、彫り跡に入る
ようにしたため、ちょっと濃くなったかもしれません。

漆は非常に少量で済み、取り出した分が余ってしまいました。

プラケースに入れて濡れたタオルを置きました。うまく乾くかどうか、時間がどのくらいかかるか興味深いです。

駒制作 試作品第1号➃

研ぎ出し練習

失敗した駒で漆入れの練習をしていますが、漆が乾いたので研ぎ出しの工程をやってみます。漆は2日で乾いたように見えましたが、念のため1日待ちました。

220番のペーパーで手でとれなかった字母紙を軽く取り除き、400番のサンドペーパーで残った字母紙、ニス、漆をとっていきます。

左の2個が黄楊、右3個がイタヤカエデです。馬は
ザックリした跡が見えます。にじみはないようです。
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